満室でも安心できない

ある東京近県の投資用一棟マンションの話です。

そのマンションはある不動産会社が数ヶ月前に旧オーナーから購入し、内外装をリフォームして個人投資家に転売しようとしているものでした。
駅からの距離、立地条件と悪くはないのですが、築年数が古く、各住戸の広さも一昔前の団地サイズでした。

とある会社が調査した結果「そのエリアは賃貸の供給過多エリア」であることがわかりました。
空室も多く、家賃も広さごとに上限価格が頭打ちになっている傾向がありました。

しかし、この調査を依頼した人物からの情報では、賃貸に関しては契約ベースで満室状態だというのです。
さらに周辺の成約の賃料は、調査対象のマンションの現況の賃料は、周辺相場よりも明らかに高い。にもかかわらず満室だというのです。

ところが、このマンションにはからくりがありました。
なんと売主が駅周辺の賃貸業者へ『家賃2ヶ月分のお礼をするから優先的に案内してくれ』と徹底的に営業をしたらしいのです。
これは、賃貸業者は借り手から1ヶ月分、大家から2ヶ月で3ヶ月分の家賃がもらえるということ。
荒っぽい手口です。
荒っぽいものの、満室にする、という意味ではお見事と言わざるを得ません。

しかし、周辺相場と比較して高い家賃で借りている人が、今後も長く住み続けるという保証はなし。
将来的には適正な賃料(利回り)に戻ることでしょう。

確かに、金融機関の融資を引き出すのにも満室という事実が有利に働くことは間違いありません。
しかし、それが無理をして作られた一時的なものであったならば、購入する投資家サイドからみたら、とても良い物件とはいえません。

「現在満室だから安心」する前に、いろいろと調査して総合的に判断すべきです。

どんな良い物件に見えても、即断できないケースがあるということです。

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